降っても晴れても

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これで完結!!―映画『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』

公開初日に見てきました!
ブリジット・ジョーンズの日記 ダメなわたしの最後のモテ期』!
何を隠そう、ブリジットの大ファンです。
大学時代、スクリプト片手に毎日のように見ていた時期があり、第3作は翻訳が待ちきれず原書で…!という感じです。
 
原作の第3巻 All About Boys は、なんとマーク・ダーシーの死というとんでもない始まり方をしていますが、今回はあのダニエル・クリーヴァーが飛行機事故で行方不明という展開。
3巻でブリジットたちの子供を無茶苦茶に甘やかしてたダニエルおじさんが死亡…?これは嫌な予感が… とちょっとドキドキでしたが、いや、今作は最高でした。
個人的には、過去2作に比べても最高の出来だったと思います。
 
以下、ちょっと個人的な感想をつらつら書いていきます。
 
今回は、1作目・2作目とも見ていないパートナーと見に行ったのですが、ブリジット・ジョーンズ初心者でも十分楽しめる内容でした。
 
しかし、事前知識として抑えておきたいのは、以下の点。
 
大前提として、1作目・2作目ともブリジット・ジョーンズ(レニー・セルヴィガー)、マーク・ダーシー(コリン・ファース)とダニエル・クリーバー(ヒュー・グラント)の三角関係で話が展開していた➡︎結局ダーシーとくっつく。
 
  • ブリジット・ジョーンズ・・・ちょっと自堕落な独身30代女性(今作では43歳に)。タバコとお酒が大好き(今作では禁煙禁酒に成功)で、いい感じになると割と簡単に男の人と寝てしまう。出版社勤務を経て、テレビ業界に入る(1作目)。
  • マーク・ダーシー・・・エリート弁護士。(ちなみに人権派の弁護士。今作もその辺りがちょこっと出てくる。)バツイチ(1作目)➡︎バツ2(今作)。礼儀正しく、感情表現が苦手。
  • ダニエル・クリーヴァー・・・ブリジットが務めていた出版社の元上司。2作目でなぜかテレビ出演をはじめる。ダーシーのケンブリッジ大の同級生。プレイボーイで、ダーシーの元妻を寝取った前科がある。
その他、
  • ブリジットには3人の独身の友達がいる(f*ckが口癖のシャザー(金髪)、男に泣かされてばりのジュード(ちょっと声が高い)、昔一曲大ヒットを飛ばした歌手のトム(ゲイ))のですが、今作の彼らの変わりようが残酷です。
  • ブリジットの母親は、ちょっと困った人。(これは元ネタの『高慢と偏見』のベネット夫人と妹3人を合体したような人なので仕方ない。)
 
これを抑えておけば、ブリジット初心者でも楽しめる…はず!
 
(若干のネタバレを含みます。)
 
まず、前述の通り、あのダニエル・クリーヴァーの死から幕をあける今作。
ヒュー・グラントが出演してくれなかったのでこうゆう扱いになっていたのでしょうが、正直な話として、ブリジットの父親候補がダニエルじゃなくてよかった…!
 
今作は、43歳になったブリジットが初妊娠するという話ですが、実は父親候補が2人…
おなじみのマーク・ダーシーともう1人はアメリカ人の若き富豪ジャック(パトリック・デンプシー)。
この辺の経緯に関しては、本編を見ていただきたいのですが、とにかく父親候補がマークかダニエルだったら絶対話にならなかった。こうなんとかして逃げるか、果ては途中で大人げない殴り合いの喧嘩を展開するに決まっている。(ヒューが出ていたら違う話になったのか…?)
 
 
マークとジャックもブリジットとその子供をめぐってバチバチになるのですが、これが可愛い意地の張り合いのまま、大きな喧嘩には発展せず。これはマークも大人になったんだなと思いました。
 
実はパートナーには前述の事前情報の他にも「ダーシーと名のつく男は水に飛び込む運命なんだ!!!」と力説していました。
 
元ネタは、1990年のコリン・ファース主演のBBCドラマ『高慢と偏見』。
エリザベス・ベネットへの愛を抑えられなくなったダーシーは頭を冷やそうと池にダイブします。
 
 
このダイブシーンは名シーンとなっており、これ以来コリン・ファースは映画でたびたび水に飛び込むことがあります。(『ラブ・アクチュアリー』など)
 
この場面はジェイン・オースティンの原作にはもちろんないのですが、なぜかマーク・ダーシーも飛び込むものと決まっており、最近公開された『高慢と偏見とゾンビ』では再現かな?と思うような見事ダイブシーンが披露されているし、オースティン好きのOLが高慢と偏見の世界に迷い込んでしまうドラマ Lost in Austen でもダーシーはバカバカしいほどのダイブをしています。
 
ブリジット・ジョーンズの日記では、2作目でダニエルとの大人げない喧嘩の末に噴水にどぼんしています。(このシーンは本当に情けない大人の喧嘩。)
 
もしや今作もマークは水に…?と思っていたのですが、今回はこれを逆手に取った展開でした。
これは、さすがヘレン・フィールディングだなと思いました。
 
この場面が暗に示す通りなのですが、今作では仕事人間のマークに対して、割と時間に融通の効いて優しくユーモラスなジャックが圧倒的有利な状態で話が進みます。
 
途中ジャックがとてもロマンティックなことをブリジットに対してする場面があるのですが、いかにもアメリカ人らしいなと思いました。これはマークには絶対できない。
 
見ていると、1、2作目と結局はマークとうまく行っていたけど、今回はばかりは…?とだんだん不安になってきます。
 
ちなみに2作目で、ブリジットが妊娠を勘違いする場面があるのですが、検査薬の結果を待っている間に2人が子どもの教育方針で喧嘩になるという展開なので、今作でマークが子供の名前について持ち出したときには、あああ…となった。*1
 
兎にも角にも、マークとブリジットが不穏!
ブリジットがせっかくマークに再会できたにも関わらず、“I’m mostly alone.” と書き置きを残して帰ってしまう場面はかなりぐっときます。
出会ってから10年あったけど結局ダメだったんだから、また始まったところで結果は変わらないだろうと冷静になるブリジット…
ちょっと泣きそうになりつつ、あぁ、彼女も大人になったんだなと思いました。
 
先ほどもマークに関して「大人になったんだな」と書きましたが、やっぱりこの3作目はブリジットとマークが10年の月日を経て「大人になった」話なんだと思います。
 
今までマークかダニエルかキャリアかという極端な3択だったブリジットが、赤ちゃんのエコーを見て「一人で育てていくぞ!」と決心する場面もなかなか彼女の成長を思わせる場面でした。
 
ブコメとして見ると、一作目のような若々しさこそありませんが、一度愛しあった男女が10年という月日を経てどう変化していくのかという点で非常にいい映画だったと思います。
この点では、もしかして今作は『高慢と偏見』ではなく『説得』だったのでしょうか。(ちなみに原作2作目は『説得』を下敷きにした作品でしたが、映画ではその要素はゼロでした。)
 
最後誇らし気に歩くブリジットを見ていると「よかったね!」と拍手したくなりましたし、「ついにこれで完結なのか」とちょっと寂しくもなりました。
 
ちなみに、今回映画館に行ってみると、客層が私と同じ20代後半から中年世代が多く(中には60、70代ぐらいのご婦人方が!)、18時半という時間もあるせいか上映中ずっと部屋にビールの匂いが充満していました(笑)
最初はちょっと客層に驚いたのですが、第1作目を見た世代がと考えれば納得行きますし、日本映画には数少ない「中年の恋」を描いた作品と思います。
 
あと最後にこれだけは言いたい!
エマ・トンプソン、最高!!!
 

*1:ちなみに2作目で妊娠検査薬のこの待ち時間が異常に長いというネタがあるのですが、今作はさすが2016年!結果が出るのが早かった!